コストコ年会費値上げへ…「2030年に国内で60店舗」実現は、厳しすぎる立地条件が足かせに
会員制小売りチェーン「コストコホールセール」が5月から年会費を値上げする。個人のゴールドスター会員は4840円から5280円に、法人のビジネス会員も4235円から5280円になる。5月以降、入会または更新した会員に適用する。
コストコは米国を中心に世界で約900店舗を展開。1999年に日本で1号店を出店し、現在では国内36店舗を展開する。会員か、同伴者のみ入店可能だ。
売り場面積1万平方メートル以上の倉庫を模した店舗で、店内には客の手が届かない棚の上段まで在庫が積み上がっている。店舗数こそ少ないが、1店舗の年間売上高は180億円以上あり、国内の年間売上高は6000億円に上るといわれる。日本の消費者になぜ受け入れられたのか。
「国内では小売店としてだけでなく、行楽の場所としても機能しているんです。米国を思わせる店舗と商品構成は非日常感を与えてくれます」(小売り業界に詳しい大学教授)
店内には2キロの精肉や5リットル以上の液体洗剤など、通常の食品スーパーでは見かけない大容量の商品を数多く陳列する。大容量であるため設定価格と相場の差が分かりにくいが、グラム単位で計算すると、他の小売店より安いわけではない。客層に関しては単独客は少なく、家族連れなどの集団客が多い。客は楽しんでいるような印象だ。会員制であることも、客の定着をもたらしているようだ。