「ユーグレナ」が上場以降初の希望退職者募集 …“原点回帰”で赤字体質を克服できるか
藻類の一種であるミドリムシ(学名:ユーグレナ)の培養技術などで知られるユーグレナは8日、希望退職者50人程度を募集すると発表。約240人の正社員を対象に2月に募集し、退職日は3月末。特別退職金を支給するほか再就職を支援する。約2億5000万円を見込む費用は特別損失として計上する予定だ。同社はプライム市場に上場しているが、希望退職を募集するのは2012年の上場以降、今回が初めてとなる。
希望退職を募集するのは、「原点回帰などを掲げた中期経営方針を一段と加速し、黒字体質を定着させるには組織や事業構造の抜本改革が必要と判断した」(同社)ためだ。同社の連結営業損益は6期連続で赤字が続いていたが、2024年1~9月期連結決算で営業損益が1億6000万円の黒字に転換した。しかし、純損益はマイナス10億4800万円と依然として赤字が続いている。
同社は2005年に現社長の出雲充氏が仲間2人と設立したのが始まり。出雲氏は2002年に東大農学部を卒業し、東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に就職するが、ミドリムシへの夢を捨てきれず入行1年で銀行を退職。ミドリムシの培養に専念した。