オーバーツーリズムに住民の我慢も限界…政府は「訪日観光客6000万人」目標も現場の実情とは大きく乖離
オーバーツーリズムによって観光地の住人の生活が大きく変わっている。京都市で、多くの外国人観光客を乗せたバスは“住民の足”ではなくなった。在住のAさん(30代女性)は「移動にものすごく時間がかかるようになった」と嘆く。「観光エリアに近づけないどころか、行きつけの店も予約が取れなくなった」とも。同じく京都市民のBさん(60代男性)は「大声で騒ぐ傍若無人な観光客が増えた。知人の誰もが迷惑がっている」と訴える。
鎌倉(神奈川県)の「受け入れ能力」も限界に近づいている。「鎌倉駅はホームの幅が狭い。落ちないように観光客を避けながら必死の思いで歩いています」とCさん(50代女性)は言う。鎌倉は狭い範囲に観光客が集中する町で、海も近い。「災害や津波が起こったときのことを考えると本当に不安です」(同)
金沢(石川県)にも外国人観光客がどっと押し寄せる。「JRのみどりの窓口は外国人観光客も並んで2時間待ち。特急券の払い戻しには金沢駅から30分以上かけて宇野気駅まで行った」(Dさん.60代男性)
一方、外国人観光客の誘致に必死だという自治体もある。和歌山県在住のEさん(60代男性)は「和歌山県も誘客に熱心だが、地元にはホテルもなければ、人もいない。ドッと来られても対応できない。それどころか来れば来るほど物価が上がり、庶民の生活はもっと苦しくなる」と嘆く。
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