ロレックス2.8億円盗難事件 無防備な運搬手段に付け込んだ「犯行時間3分」の早業
172本のロレックスが、忽然と車ごと姿を消した。
大阪市中央区の路上で高級腕時計ロレックス172本(2億8374万円相当)を積んだ軽ワゴン車を盗んだとして、府警捜査3課は15日、山口組弘道会系組員の大西真也容疑者(52)ら2人を窃盗容疑で逮捕した。
5月21日朝、配達ドライバーの60代女性が大阪市西淀川区にある配送センターで、ロレックス172本が入ったシルバーのジュラルミンケース5個を預かった。午前8時45分ごろ、ドライバーは別の荷物を配送先に届けるため、軽ワゴン車を路上に駐車。エンジンキーをつけたまま、ドアロックをせずにその場から離れた。男2人はその隙に軽ワゴン車に乗り込み、猛スピードで現場から走り去った。3分後、ドライバーが現場に戻ると、軽ワゴン車はなく、9時間後、浪速区の路上に乗り捨てられているのが発見された。
■内部事情を知る指示役の存在
「他に指示役がいて、いつ、どこにロレックスを届けるか、情報を入手したとみている。じゃないと、あまりにも手際が良過ぎる。軽ワゴン車を所有する配送会社は、日本ロレックス社から正規代理店への配達を依頼されていた。ロレックスの専属契約ではなく他社の荷物も取り扱っていた。女性ドライバーは正規代理店がある地区を担当し、その日はたまたまカギを抜くのを忘れていた。もし、ドアロックされていたとしても、窓ガラスを割られて盗まれていたのではないか」(捜査事情通)