FA大竹 巨人入りでよぎる野口や門倉との“共通点”
巨人が遅ればせながらFAの大竹寛(30)と入団交渉を行った。埼玉の浦和学院出身の大竹はもともと在京志向が強く、広島との3度の残留交渉の末にFA宣言した時点で、古巣では「巨人入りで決まり」との声が多かった。ソフトバンクが4年10億円という超破格の契約を提示したことで、「金銭面で張り合うほどの選手じゃない」という声が巨人周辺でも大きくなったものの、結局、収まるところに収まるということになりそうだ。
「非常に高い評価をしてもらい、感謝している」
交渉を終えてそう言った大竹の言葉と表情は、巨人入りで決まりという雰囲気。交渉の途中には原監督から電話が入り、「日本一連覇を達成できるチームをつくるために力を貸して欲しい」と口説かれたそうで、3年総額5億円の条件を提示したとみられる原沢球団代表は「手応えはあった」と自信をのぞかせた。
<10勝しても10敗しては…>
だが、これで不安が消えたわけではない。巨人関係者の頭にイヤでもよぎるのが、05年オフのFA補強である。巨人はこの年、中日からFA宣言した野口茂樹を獲得。シーズン3勝に終わった元MVP左腕の入団には、懸念の声が少なくなかった。当時の野口は31歳。MVPになった99年の最盛期から成績は右肩下がり、左ヒジ痛という爆弾も抱えていた。果たして野口は移籍1年目は1試合に登板しただけで、防御率は9.00。中継ぎとなった翌07年は31試合登板で防御率4.30、オフに巨人を退団した。