FAで大激突 巨人がソフトバンクに負けられない理由
<電光石火の破格条件提示>
今年のFA戦線は巨人とソフトバンクのメンツをかけた争いになる。
両球団はFA宣言した中日の中田賢一(31)、広島の大竹寛(30)の2投手の獲得を狙う。交渉解禁となった15日、早速攻勢をかけたのはソフトバンクの方だった。
名古屋市内のホテルで中田と初交渉。小川編成・育成部長は「どこにも負けない条件を提示した」と胸を張り、中田も「頑張っただけ評価してもらえる金額提示をしていただいた」と納得の表情を見せた。福岡出身だけに「地元というのはもちろんある」と一歩も二歩もリードした格好。巨人は苦戦が必至な情勢だ。
大竹も16日にソフトバンクと広島市内で1回目の交渉を行うことが決定。連日のアタック攻勢に加え、中田と同様の4年最大10億円の破格条件を用意しているといわれ、巨人は後手に回っている。
FAはこれまで巨人のための制度といわれてきた。93年に獲得した落合(現中日GM)から11年の村田、杉内まで、入団した選手は計15人。交渉の失敗は、97年にヤクルトから宣言した吉井、同年の横浜・谷繁(現中日選手兼監督)、07年の中日・福留(現阪神)くらい。球界の盟主を自任する巨人は、金銭面はもちろん、ステータスでも日本球界トップを自負してきた。それにストップをかけようというのがソフトバンクだ。