桐光松井君は我々にとっても大きな存在だった
2013年を振り返ると「打倒・松井」に尽きる。昨夏の甲子園で22奪三振の大会記録を樹立した桐光学園の松井裕樹君(3年=楽天1位)を攻略しないことには甲子園はない。練習に多くの時間を割いた。
横浜は春の大会で6者連続三振を食らうなど5安打13三振。0─3の完敗だった。宝刀のスライダーだけでなく、チェンジアップも習得。とても手に負えない投手に成長していた。正直なところ、「これは夏もどうにもならないな」と思った。
とはいえ、対策は立てた。ワンバウンドのスライダーを振らないため、カーブマシンの球を見逃す練習。速球に慣れるため、マシンを150キロに設定してガンガン打たせた。
クイックが得意ではないため、三盗の練習。牽制に傾向があるので「セットして3秒で走れ」と徹底した。春から夏にかけての練習はほぼ「松井対策」だった。
■記録的猛暑が味方
夏の神奈川大会の抽選で桐光と準々決勝で当たる組み合わせが決定した時、苦戦を予想した。準々決勝なら桐光は松井君を温存しながら勝ち上がってくる。フレッシュな状態では勝ち目はないと感じた。