マー君100億円争奪戦 メジャー14球団参戦のカラクリ
と、アメリカ野球愛好会代表補佐の鈴村裕輔氏がこう解説する。
■資金力で劣る球団の裏ワザ
「起用法ですよ。例えばケガさえなければ、年間通じて先発として使うという契約を結ぶのは不可能ではない。GMがオーナーや球団社長ら経営陣の許可なしにそんなことをすれば、越権行為でガバナンス違反になりかねません。かつてドジャースが中村紀をマイナーに降格させたとき、当時のデポデスタGMはわざわざ『元監督のラソーダ副社長の推薦で獲得してメジャーでも使ったが、結果が出なかったので落とした』と説明したほど。言い換えれば経営陣の同意さえ得れば、起用法を契約に盛り込むこともできるのです。先発にとってローテを長期間保証してもらえるというのはある意味、金銭以上に大きいですから」
今オフのFA市場に出回っている先発投手が、不作を通り越して凶作という背景も大きい。
ヒメネス(29=前インディアンス)は160キロの速球を持ちながら、通算82勝75敗。負け数が多いのは制球が甘いからだ。ガーザ(30=前レンジャーズ)は過去に右ひじを何度も故障している。サンタナ(31=前ロイヤルズ)は過去2年の成績が9勝13敗と9勝10敗。一昨年、被本塁打王(39本)になったように制球にも難がある。「目玉」と言われる連中ですらきずものがほとんどだから、田中が1番人気に押し出されている側面は否定できない。