謝罪会見後のおどけ顔に透けて見えたバレンティンの“本心”
「いや、凄い人だったな。今日のメディアの数、何人ぐらい? ハハハ」――。こう笑いながら球団事務所を後にしたのが、ヤクルトのバレンティン(29)だ。
妻への暴行、監禁容疑で逮捕されながら、保釈されて28日に来日。自身の騒動でチームや関係者に迷惑をかけたと、29日午後に行われた会見では「野球ファンやチームメートに多大な心配と迷惑をかけた」と神妙な面持ちで謝罪した。そのうえで、「起こってしまったことはもう過去のこと。これからは野球に集中したい」と意気込みを語ったものの、およそ20分間の会見が終わるなり冒頭のようにおどけてみせた。これには近くにいたチーム関係者も、空気を読めよとばかりに苦笑いだった。
■米国より日本のほうが気楽?
米国におけるDV(ドメスティックバイオレンス)は、深刻な犯罪。軽く妻をはたいただけでも逮捕されるほどシビアだ。今回のバレンティンの一件は、確かに本人に非があることは事実。しかし、自身が現時点でも暴行容疑を否認しているように、バレンティンは罪を犯したという意識が希薄だ。そこへいくと日本は、米国に比べてDVに甘い。むしろ、妻の手首をつかんだ程度で刑務所にブチこまれたらかなわないと思っている連中も少なくない。
バレンティンは3年間の日本滞在で、そんな風潮を理解している。だからこそ「犯罪者扱い」される米国から出国、晴れて“自由”な日本でプレーできるようになった解放感にひたっているに違いない。