日ハム大谷は「投手優先」か否か 栗山監督と球団に温度差
栗山監督が恨めしそうに天を仰いだ。
11日に行うはずだった阪神との練習試合が、天候不良のため中止に。急きょ、翌12日に紅白戦を組んだものの、これも朝から降り続く雨のために取りやめ。2日続けて実戦が流れてしまった。
これに肩を落としているのが、2年目の大谷翔平(19)を野手でスタメン起用する予定だった栗山監督だ。大谷が8日の紅白戦で投げた後、こう話していた。
「先発ローテーション投手として投げながら、その中でも野手として出場できるかを探っている。投げた3、4日後とかね。11日の阪神戦は3日後でしょ? ちょうどいい機会になるんじゃないか」
この時は大谷のDH起用を示唆しながら、それも雨でパー。「明日(13日)からは投手中心の練習になると思います」とはこの日の大谷の弁だ。
ある日本ハムOBは「監督と球団の間で温度差がある」とこう言う。
「先発として一本立ちしてという思いは共通しているけど、野手起用の方針は異なる。栗山監督は大谷を週2回程度、スタメンで使いたい。一方の球団は週1、2回の代打というスタンス。軸足はあくまで投手に置き、野手としての負担を極力減らしたい考えです。このキャンプではクイックのときに球威が落ち、制球が乱れる欠点が露呈したばかり。投手としての課題は多く、ローテに定着させるためにも、当分は投手に専念させた方がいいくらい」
栗山監督の構想に冷や水をぶっかけた2日連続の雨は、大谷にとって干天の慈雨になりそうだ。