自らスタメン落ちで1勝…中日・谷繁監督カラー構築へ着々
連敗で迎えた広島との開幕3戦目(30日)。谷繁兼任監督は「自らのスタメン落ち」という采配で就任初勝利を手にした。
この日、スタメン捕手には「ポスト谷繁」の筆頭格である5年目の松井雅が入った。その松井が2打席連続で二塁打を放ち、2打点の活躍。マスクをかぶっても先発のカブレラを無難にリードした。
ウイニングボールを受け取った谷繁監督は、「今までに経験したことのない感情がある。しみじみとした勝利」と、照れ笑いを浮かべた。
この3連戦、新監督は“動いた”。1、2戦目はスタメンマスクをかぶり、2戦目は2点を追う八回に、選手谷繁に代打小笠原を送った。監督に専念したこの日は、八回に代打として打席に立った。
作戦面では、無死、1死で一塁に走者がいる場面、犠打、セーフティー、エンドラン、盗塁などあらゆる方法で相手を揺さぶろうとした。評論家の橋本清氏が言う。
「谷繁監督の野球は守り中心で派手な動きはない。ただ、選手兼任でやっているとベンチワークの部分で集中しづらいものだが、この3試合は監督としてイメージしているものを形として出していこう、自分がやりたいことをやるんだ、という意思は見えた。今後、監督業に慣れてくれば、もっと自分のカラーを色濃く出していくのではないでしょうか」