抜群の眼力と交渉力 巨人は「原GM」で「松井監督」を支える
現4番の村田の獲得もそうだ。打力のある三塁手の補強が課題となっていた11年オフにFAで横浜(現DeNA)から獲得。昨年、渡辺球団会長は「村田はいい。あれは(前球団代表の)清武が反対したな。どうしても欲しいって言ったのは原だよ。原の目の方がはるかに上。原の選手の見方は一流だよ」と絶賛したほど。前代表が反対したのは横浜時代の素行の悪さ、得点圏打率の低さからだという。が、昨季の打率は.316でリーグ3位。得点圏打率も.314で、途中から大黒柱の阿部を押しのけ、巨人の4番に座った。生え抜き以外では初の選手会長に就任。今季も開幕から4番に君臨し、打率.333(リーグ13位)でロペス、新外国人のアンダーソンと共に超強力打線を引っ張っている。
日本球界に合うか、伝統球団の巨人に合うか、原監督の目指す野球に合うかなど、チェックポイントはいくつもあるが、選手を見る目はあるという評価。そこで、一部で浮上しているのが、2年後の「原GM」案だ。
■編成責任者として「ゴジラ監督」を支える
原監督の契約は今年から2年。球団幹部は次期監督に松井秀喜を招聘(しようへい)したいと公言している。松井は具体的なコメントをしていないものの、仮に受ければ原監督はお役御免となる。とはいえ、これまでの10年間でリーグ優勝6度、日本一に3度も導いている指揮官を放り出すのは忍びない。米国生活が長い松井も、巨人や日本球界を熟知するには多少なりとも時間が必要。そこで原監督がGMとなって松井新監督を全面サポートするという案だ。そうなれば、松井だって心強いし、原監督にも「最高責任者」の肩書がついて面目を保てるというわけだ。