抜群の眼力と交渉力 巨人は「原GM」で「松井監督」を支える
来日1年目の昨季は打率.303でリーグ5位。日本の他球団を経ていない巨人の自前新外国人が、1年目にシーズン打率3割をマークしたのは球団史上初だった。オフにはイの一番に契約を更改。年俸は8000万円から1億7000万円に大幅アップし、今季に臨んでいる。
原監督は「補強はフロントに任せている」といつも言う。が、清武前代表が解任され、現体制になってからはFAなどの補強にも積極的に関わっている。昨オフ、FAで広島から大竹、西武から片岡を獲得。いずれも原監督が好きなタイプの選手だ。大竹にはソフトバンク、片岡には楽天が巨人を上回る好条件を提示も、交渉の席で指揮官と電話で話をした2人は、いずれも入団を決意した。
エースやクリーンアップを張る選手ではない。球団内では当初、「小粒。ホントに必要な選手なの?」と陰口も飛び交ったが、先発投手と二塁手の補強ポイントを的確に埋め、2人とも上々のスタートを切った。キャンプ中、先発陣に一時故障者が続出したこともあって「取っておいてよかった」と、今となっては胸をなで下ろす関係者は多い。
「長嶋さんもそうだったけど、原監督の天真爛漫(らんまん)な人柄で選手を直接口説けば、かなりの効果があるということ。監督としての現場の指揮以上にといったら失礼だけど、実はFAや外国人補強などの編成面、チームづくりといった面での原監督の評価が球団内で高まっているんです」(前出の関係者)