逆転2ラン 広島とドミニカの「カープ」救うロサリオの貢献
「これでアカデミーも勢いを取り戻してくれたら」
広島のチーム関係者も、ドミニカンの活躍に目を細めた。
交流戦開幕から4連敗で迎えた25日の西武戦。0-1の四回にロサリオ(25)が逆転2ランを放ち、連敗ストップに大きく貢献した。
この助っ人は、ドミニカ共和国にある広島の「カープアカデミー」出身。もともとカージナルス2Aでプレーしていたが、解雇されて昨年7月にアカデミーに拾われた。広島の昨秋キャンプにテスト生として参加。打撃力を買われて、契約金1000万円、年俸1000万円プラス出来高の1年契約で入団が決定した。
広島のキャンプにアカデミー出身の野手がやってきたのは、実に9年ぶり。近年、カープアカデミーは衰退の一途をたどった。90年に6億円を投じて設立され、27万平方メートルの広大な敷地に4面のグラウンドなどを備える。95年にはカープで15勝を挙げたチェコ、ヤンキースで活躍するソリアーノら大物を輩出し、最盛期は30人以上の選手を抱えたこともあった。
投手の育成に特化する一方で、メジャー球団がこぞってドミニカに進出。現在も28球団がアカデミーを設立している。中には2億円とも3億円ともいわれる高額の契約金で逸材を囲う球団もあり、資金力に劣るカープアカデミーは太刀打ちできなくなっていく。12年には選手が4人しかいなくなったそうだ。