本田圭佑「虚像と実像」(10)全裸で立ち尽くしたのも束の間…
大言壮語して人を驚かせ、結果が出なくても意に介さない。失敗を認めた上で「糧にして這い上がってやる」と前向き発言を繰り返す。
セリエAの今季最終節をベンチで過ごした本田は、試合後のインタビューでも「本田スタイル」を崩さなかった。
「うまくいかなかったことばかりだったが、自分に出来ることもある。そこはポジティブに捉えている。自分がチームを変えることが不可能だと思ってしまえば、そこで終わってしまうので。(ミラン入り後の4カ月半がW杯につながる力になっているか? と聞かれ)もちろん。右サイドをやったことも生きるだろうし、出来なかった悔しさも生きるだろう。すべてを生かすつもりです」
■サッカー以外で<チームを引っ張っていく>姿勢も
ジュニアユース監督を務めていた島田貴裕(現ガンバ大阪アカデミー本部・スクールマスター)もこう話す。
「圭佑はレギュラーではなかったが、チームのリーダー的存在になろうとはしていました。当時、家長(現大宮FW)の存在が抜けている感じでしたが、彼に対するライバル心は物凄かった。サッカー以外の何でもいいから負けたくなかったのでしょう。サッカー以外で《チームを引っ張っていく》姿勢もよく見せていました。チームのバーベキュー大会などでは、誰よりも率先して動いていました。自分が一番になってリーダーとして集団をまとめる。その意識は本当に強かった」
そんな本田は中学3年になると、ようやくAチームに昇格。ところが、夏が終わろうとした頃、本人の元に非情通告が届いた。
(敬称略=つづく)