決勝弾アシストのアザール 「W杯後パリSG移籍」の現実味
3大会ぶり12回目出場のベルギーは、主力の大半が欧州有力クラブ所属とあって「大会屈指の好チーム。86年大会以来となるベスト4は狙える」と高評価だった。
しかし、初戦のアルジェリア戦は前半25分、イングランドの古豪トットナム所属DFフェルトンゲンが、相手選手をPA内で倒してPK献上。後半途中までスコアは0―1で動かず、選手の表情にも焦りが見え始めた。
そんなベルギーに勝利をもたらしたのが、イングランドの強豪チェルシーでプレーするMFアザール(23)だ。変幻自在のドリブルで相手DFを翻弄。試合の流れを手繰り寄せ、後半25分にマンUのMFフェライニが、194センチの長身を生かして同点バックヘッド! その10分後。アザールが逆転ゴールを引き出した。カウンターからアザールがドリブル突破。相手DFを引きつけたところで右サイドを駆け上がったセリエA・ナポリMFメルテンスに絶妙のタイミングでラストパス。逆転ゴールが決まった。
■チェルシーとは契約を延長したばかりだが…
そのアザールは「来季はチェルシー残留? それとも仏のパリSGに移籍?」と物議を醸している。コトの発端はCL準決勝でアトレチコ・マドリードに敗れた後に「ボクたちはカウンターアタックをするためだけに試合をやっている。それはサッカーではない」と発言。指揮官モウリーニョの戦術を批判してしまったのだ。これに対し、モウリーニョはアザールの守備意識の低さを指摘し、以来、パリSG移籍の噂が絶えなくなった。
シーズン終了後にチェルシーと契約更新。移籍話はなくなったかに見えたが、アザールは「来季も100%チェルシーでプレーする」と言いながら「フットボールの世界では何でも起こりうる」と付け加えることを忘れない。さて、W杯後にアザールがいるのはロンドンか、それともパリか?