ブラジル屈辱7失点の原因は…「ミネイロンの惨劇」レビュー
大敗の原因はどこにあるのか? 現地取材に赴いたサッカージャーナリスト・六川亨氏は「ボランチの不出来が大きかった」と、こう続けた。
「ブラジルは、伝統的に両SBの積極的な攻撃参加が持ち味。相手のカウンターを受けた場合、CB2人とボランチ2人が連係を取りながら対応します。しかし、ドイツ戦に先発したルイス・グスタボは守備でミスを連発。フェルナンジーニョに至っては、特に3失点目が象徴的でしたが、マイボールを背後から奪われて失点の発端となった。ボランチ2人のお粗末なプレーが、主将で正CBのチアゴ・シウバ不在の穴をより広げ、記録的大差負けを招くことになったのです」
試合前からメンタル面でもドイツに負けていたというのは、サッカーライターの平野史氏だ。
「ブラジルという名前の風船の中に勝ちたい、負けたらどうしよう、ネイマールがいない、彼に優勝カップを届けたい、母国の期待に応えたい、応えられなかったらどうしようか……ブラジル選手たちにはいろいろな感情が入り乱れ、国歌斉唱の段階で王国の風船はパンパンに膨れ上がってしまった。モチベーション過多になった選手たちは、試合前に平常心を完全に失っていました」