スニガ「処分なし」のFIFA裁定で懸念される怒りの増幅
FIFA(国際サッカー連盟)は7日、W杯準々決勝ブラジル―コロンビア戦でFWネイマールの背中に膝蹴りをくらわせ腰椎を骨折させたDFスニガ(写真=AP)に対し、何ら処分しないことを発表した。「試合中にイエローカードやレッドカードが出されなかったこと」が理由だという。
イタリア選手への「噛みつき」で代表戦9試合の出場停止処分や罰金などを科せられたウルグアイFWスアレスとは対照的な結果に、現地では批判の声も上がっている。
今回のFIFAの裁定で厳罰が下されれば、ネイマールに大けがを負わせたスニガに対するファンの怒りは少しは収まったかもしれない。それが無罪放免では、逆に恨みは増すことになるともっぱらだ。
南米ではサッカーの勝敗に金を賭けるのは当たり前。過去には自国の敗戦の原因となった選手が殺された例もある。ネイマールを負傷させた直後から、スニガの写真共有アプリには6000件以上の批判コメントが殺到。中には「襲撃」をほのめかすコメントも数多くあったという。
ブラジルが9日(日本時間)のドイツ戦に負けたら……サッカー王国の至宝をつぶされたブラジル国民は、感情を抑えられるのか。FIFAの「大甘裁定」は、今後もさまざまな波紋を呼びそうだ。