巨人ロペスの「左翼コンバート」 高橋由の抹消で現実味も
巨人が土壇場で阪神をうっちゃった。同点に追いつき、なお2死二塁から、ホセ・ロペス(31)が中前にサヨナラ打。相手の守護神を打ち砕き、「奇跡のようなゲームだった」と興奮気味の原監督は、「(ロペスの)当たりの加減も良くて泰示(大田)の足も生きた」と口も滑らかだった。
そりゃそうだ。九回までは完全に負け試合。今季4敗(0勝)の阪神先発メッセンジャーの前に、五回まで1安打とまたも打線が沈黙し八回まで9三振を喫してわずか4安打2得点。メッセンジャーは勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りた。
試合前、巨人ベンチには沈鬱な空気が流れていた。高橋由伸(39)が都内の病院で検査を受け、右手中指伸筋腱脱臼と診断され、登録を抹消された。24日の中日戦の八回の打席でバットを止めた際に右手を痛めたという高橋由は、後半戦から先発出場が増え、打率・286、6本塁打、29打点。万全なら5番でスタメン出場するはずだった。
抹消中のアンダーソン、亀井、松本哲、セペダに、右ヒザを痛めている長野と故障者が相次ぐ窮地を救ったのがロペスだった。