PRP療法の専門家指摘 「田中投手は完治したわけではない」
「そもそもPRPは組織の治癒力を促すもので、接着剤や魔法の薬ではありません。PRPの製法にしても米国では約70種類あり、血小板から取り出す成長因子の濃度は適量が判明しているわけでもないのです。まだまだ基礎研究の途中段階にありますが、肘の靭帯損傷に対する有効性を示す論文も発表されています。しかしPRP療法を施したからといって、極端にリハビリが短くなったり、完治するとは限らないのです」
■「再発したら手術」
田中は27日(日本時間28日)のレッドソックス戦で今季最後のマウンドに上がる。必要があると判断されればタンパで追試のキャンプをやるともいわれるが、来季は完全復活できるのか。
「一度、痛めた箇所を治療しても故障する前と同じ状態に戻ることはありません。痛みが引いたからといって、田中投手の靱帯が以前よりも強度が増すはずはないのです。痛めた原因が投げ方にあるのか、投げ過ぎによるものなのか。その原因となったものを改善しない限り、再発する可能性は否定できません。来季、同じように痛めたら、手術に踏み切ると思われます」(金森医師)