野口みずき“育ての親”指摘 「五輪選考レースは一発勝負に」
アテネ五輪金メダルの野口みづきを育てた藤田信之氏(73)は、競技人口や実業団チームが減少していることから、選手の育成環境の整備を訴えている。選考レースや育成システムについて聞いた。
――五輪や世界選手権の国内代表選考レースは多すぎませんか?
「願わくば、一発勝負にした方がいい。できないのはスポンサーの問題でしょうが、陸連が説得して五輪イヤーだけでも一発勝負のレースにできないのでしょうか。全ての選手がしのぎを削って走ってこそ、選考会の意味がある。選考レースが複数あると、コースの高低差や気温差など必ずしも同じ条件ではないため、必ず不公平感が出ます。国内の選考レースには、代表になりたい選手が一堂に会して競います。そこで勝てなかった、タイムが出せなかった選手は代表に選ぶべきではありません。それぐらい厳しくしないと」
――タイムが平凡でも日本人1位の選手が代表に選ばれるのはおかしくないですか。
「代表を選ぶなら順位ではなく、まずは記録ですよ。好タイムで日本人1位ならまだしも、低レベルなタイムでも代表を選んできたが、五輪や世界選手権に派遣して戦えなければ意味がありません。今のままでは、参加するだけでメダルどころか入賞すら望めなくなります」