野口みずき“育ての親”指摘 「五輪選考レースは一発勝負に」
――現状では選手を育てるのは厳しいですか?
「本当に育てるのであれば、Jリーグのように下部組織で選手を育成するクラブ制や(JOCが運営する)エリートアカデミーで成功している卓球のようにマラソン選手育成のための組織を設立するのもひとつの方法かもしれません。そのためには将来の卵を見つける発掘事業からやらなければダメです。少子化とはいえ、素質を持っている選手は必ずいるはずです。種からじっくり育てる気の長い取り組みのシステムを構築すべきです」(おわり)
▽ふじた・のぶゆき 1940年10月4日、京都府生まれ。京都府立洛北高校卒業。68年から実業団で指導者を務め、多くの中・長距離選手を育成。教え子には野口みずきのほか、92年バルセロナ五輪の女子1万メートル、96年アトランタ五輪女子マラソンに出場した真木和がいる。現在は「F・R・A藤田ランニングアカデミー」を主宰し、ジュニアの選手育成に励んでいる。