「将来の監督候補」の声も 日ハム金子の評価が稲葉に勝る理由
■金子の周囲には自然と人が集まる
そんな稲葉と対照的に評価を上げているのが、同じく今季限りで引退する金子誠(38)だという。常総学院高から93年ドラフト3位で入団した、日ハム一筋の生え抜き選手。堅実な内野守備には定評があった。稲葉に比べて知名度では数段劣るも、「今後はフロント入り。米国に指導者留学させてさまざまな経験を積ませるレールが敷かれている。将来の監督候補ですよ」と、前出のOBがこう続ける。
「若手への苦言などは稲葉以上にもかかわらず、金子の周囲には不思議と人が集まる。田中賢介(元レンジャーズマイナー)も、金子を慕うひとりです。稲葉との違いは選手への気遣いが出来るかどうか。08年のシーズン終盤、不調にあえいでいた中継ぎの宮西が金子に『ちょっと飲みに行くぞ』と誘われた。宮西は説教されるものと思って縮こまっていたが、『最近、自信なさそうに投げてるよな。せっかくいいボールを持ってるんだから、堂々と投げろよ。おまえのボールなら、自信持って投げれば抑えられるから』と、むしろ励まされた。厳しいだけではなく、そうしたフォローが出来る。これまで『使う意味がない』と、一度もFA権を行使したことがないのも、球団からすれば好印象です」
ともにゴルフ好きで、一緒にラウンドすることも珍しくない稲葉と金子。数年前は担当記者たちから「稲葉監督ならヘッドコーチは金子だな」と言われていたものの、将来は立場逆転の可能性がありそうだ。