メダル目標口実に…JOC「選手強化費」要求が“青天井”懸念
文部科学省は15年度予算の概算要求で、20年東京五輪を見据えた選手強化関連費として178億円を計上。これは今年度より95億円も多い。下村文科相は6月27日の閣議で、13年度版文部科学白書を報告。東京五輪での金メダル獲得目標を25~30個に設定し、20年五輪の時に23~27歳になる選手たちに予算を集中的に使い、積極的に海外遠征などを行っていくという。
橋本聖子JOC選手強化本部長(自民党参院議員)も、「東京五輪までの6年間で1000億円規模の選手強化費が必要」と鼻息が荒い。
ある競技団体の幹部は、「東京五輪は全競技で入賞が目標なんて言い出したから、財政が厳しいマイナー競技やパラリンピック競技の合宿や海外遠征も増えるはず。五輪の結果次第では、その後の強化費配分にも影響する。金はいくらあっても足りない」と漏らした。前出の工藤氏が言う。
「今後日本列島は五輪へまっしぐらというムードになる。新聞、テレビでは五輪関連の記事や特集が増える一方、五輪に関する批判記事や被災地への悪影響などの報道は控えることが予想される。ロンドン五輪後の東京・銀座のパレードには50万人が詰めかけたと報じられたが、国民は五輪の自国開催に浮かれず、冷静に監視していかないと、政治家やJOC関係者たちに『金メダル3位』の旗を振られ、税金を湯水のように使われてしまいます」
目標設定は自由だが、そんなことに大金を使われたらたまったもんじゃない。地元五輪の高揚感で、大事なことを忘れてはいけない。