「12億円」報道も マイナー止まり中島裕之に巨額契約の怪
西武が「3年8億円以上」ならば、阪神は「3年10億円」「4年12億円」とスポーツ紙は書き立てる。一体どんな大物選手を獲得するのかと思いきや、アスレチックス傘下2AからFAになった中島裕之(32)である。
米国移籍した昨季から2年間、メジャー昇格はなし。今季は開幕こそ3Aで迎えたものの、4月下旬に2Aに降格。そのままシーズン終了まで2Aで過ごした。
そんな選手に8億だの10億だのと払う価値はあるのか。
西武時代は球界でもトップクラスのスター選手だったのは間違いない。06年以降、3割に到達できなかったのは11年だけ。勝負強い打撃が売りで、20本塁打以上打った年も4回ある。半面、遊撃手としては守備範囲が狭く、送球も安定しないとあって、西武投手陣が「センターラインから外してくれ」と首脳陣に訴えたこともあった。米国でも守備はまったく評価されなかった。
■キレやすい性格も懸念材料
性格的な問題を懸念する声もある。中島は熱くなりやすい、というよりも「キレやすい」。死球をぶつけられて我慢することはめったになく、相手ベンチを怒鳴りつけることもしばしば。内角攻めを避けようともせずに当たったにもかかわらず、投手を睨みながらマウンドに向かい、乱闘騒ぎに発展したこともあった。