狙いはオリとの条件闘争か FA金子に振り回される他球団
「残留するっていう話も出ているし……」
在京球団の編成担当が困惑気味にこう言った。国内FA権を行使した金子千尋(31)のことだ。
入札制度によるメジャー挑戦を視野に入れていた右腕は、右肘遊離軟骨の除去手術を受けるため、今オフのメジャー挑戦を封印。オリックス残留か国内他球団への移籍を含めて、今後、本格的な綱引きが始まる。ソフトバンクや中日、DeNAなどが獲得に関心を示しており、スポーツ紙はソフト、阪神が「4年20億円以上」の条件を用意していると報じている。
だが、この右腕にそれほどの大金をつぎ込む価値があるのか、疑問視する声もある。
前出の編成担当は「オリックスも3年15億円という好条件を出したと聞くし、手術をして開幕に間に合えばいいが、来オフのメジャー挑戦を考えていたら、あまり無理をしないかもしれない。12年には右肩、右肘の故障で4勝にとどまった前例がある。2度目の手術も気になるところ。それが怖い」と話せば、パ球団の編成担当は「阪神は獲得を逡巡しているでしょ? もし手を挙げても、残留しますなんて言われたらカッコつかない。金子は突然、右肘手術を発表したり、言動も読めない」と表情を曇らせる。