メジャー先送りのオリ金子 日本人選手への“風当たり”懸念か
「早い時期に見つかって手術、リハビリをすることで、もっと良い状態の自分を見せられると思っている」
オリックスからFA宣言した金子千尋(31)が25日、今月中に右肘遊離軟骨除去手術を受ける方針を明らかにした。
しかし、本人が「複雑な場所にあるわけではなく、早く手術を受ければ早く復帰できるという判断」と軽傷を強調するように、右肘遊離軟骨の除去が今オフのメジャー挑戦を断念した直接の理由とは思えない。「一般的に全治3カ月」とオリックスの瀬戸山球団本部長も話している。
それより何より、今オフのメジャー挑戦を見送ったのは「米国内の機運が関係している」という指摘がある。先の中間選挙でオバマ大統領率いる民主党が惨敗し、24日には黒人青年を射殺した白人警察官が大陪審で不起訴になった。
アメリカ野球愛好会副代表の鈴村裕輔氏が「中間選挙の結果も含め米国社会全体が保守化しているのは事実です」とこう言った。
「富裕層を支持、小さな政府を目指す共和党勢力が次第に強くなっているのです。例の事件にしても立場が逆、黒人警官が白人青年を射殺したのであれば、おそらく逮捕だった。次期大統領候補といわれるヒラリー・クリントンにしても民主党右派、つまりは保守派です。マイノリティーにとっては、ますます厳しい社会になるでしょう」