韓国競泳メダリストがドーピング陽性 禁止薬物の“出どころ”
「臨床開発中の薬が闇市場に流出するケースが後を絶たない」
世界アンチ・ドーピング機関(WADA)のバレリー・フォーネロン健康・医事・研究委員長が危機感をあらわにした。
28日、WADAは都内でドーピング撲滅を目的とした国際会議を開催。12年のフランス・パリに次いで2度目の開催となった今回は、主に製薬会社との連携について話し合った。
これまではWADAと大手製薬会社、各国の業界団体が覚書を交わし、共同で禁止薬物の撲滅に取り組んできた。それなりの成果は出ているものの、12年ロンドン五輪前の抜き打ち検査などで107人の違反者が発覚。最近では北京五輪競泳男子400メートル自由形金メダリストの朴泰桓(25)が国内の検査で陽性反応を示すなど、「撲滅」には程遠いのが現状だ。
大きな原因は他でもない、製薬会社からの流出だという。
冒頭のフォーネロン委員長の指摘通り、製薬会社から新薬に関するデータが何らかの形で外部に流出、悪質な業者の手に渡って、禁止薬物として転売されるケースが大半とか。中には当局の承認が得られなかった薬物が、製薬会社社員によって大量に売却された例もある。新種の成分が含まれた薬剤も少なくなく、流出した薬を使用して選手がドーピング検査を免れていた事例も報告されている。