長男は早実の“怪物1年” 清宮克幸氏が語る「才能の伸ばし方」
「『あの投手はカーブで三振を取ったから、次はカーブを狙っていく。相手の得意な球を狙う』なんて言うこともあれば、反論もしますよ。『いやいやパパ、それは違う。変化球を狙うと直球が打てなくなるから、直球だけを狙っていく』と言う時もある。大事なのは自分の意見を語ること。語ると失敗を繰り返さずに成功を続けられるんです。投手をやっていた時も一緒。投げたボールを振り返らせました。うちはこれまで全試合ビデオを撮っていて、全打席全投球を家でもう一度見させます。そうなると、もう仕事か子育てか分かりません。でも根底は同じなんだと思っています」
■東京タワーの下で叱責した理由
ヤマハでも我が子に対しても、普段は温厚で怒ることはあまりないという。ただ、怒ったら怖い。しかも、怒り方にもこだわりがある。
「幸太郎がまだ小さい頃、悪いことをした時は、東京タワーの下まで連れていって『立ってろー』って叱ったこともありますよ。忘れないで欲しいですからね」
悪いことをした、怒られた、ということを場所を利用して印象づける。東京タワーを見れば、そういえばあの時……とカミナリを落とされたことを思い出す。過ち、失敗を繰り返さないための方法論だ。これまで率いたチームを日本一に導いてきた「清宮流」は、子育てにも通じている。