中畑さんの一言で松井秀喜の「専属運転手」になりました
2005年のシーズン限りで引退してから、今年でちょうど10年が経ちます。33歳でユニホームを脱ぐまで、巨人一筋15年。いろいろな方にお世話になりました。きょうからこの紙面を借りて、自分の野球人生を振り返ってみようと思いますが、まずは今季のセ・リーグを大いに盛り上げている、首位・DeNAを率いる中畑清監督(61)のことから始めましょう。
出会いは22年前。長嶋監督の復帰とともに、中畑さんが打撃コーチに就任された93年です。僕は入団3年目でした。
前年の92年に初めて一軍昇格を果たして34試合に出場。一軍定着の足がかりをつかもうというときに、課題だった打撃面の直属の上司になられたのが中畑さんでした。
「大介、頼むぞ」
関係が濃密になったのは、中畑さんのこの一言がきっかけです。なにを頼まれたのかというと、この年に鳴り物入りで入団したルーキー松井秀喜の送り迎えでした。
長嶋監督と松井のマンツーマン指導は有名ですが、1年目のシーズンは試合後に中畑さんの自宅に行き、スイングチェックをするのが松井の日課になっていました。僕の車に松井を乗せ、球場から中畑邸まで送り届けると、特訓後にまた松井を車に乗せて、2人で川崎市内の寮に帰るのです。