著者のコラム一覧
渡辺勘郎ノンフィクションライター

59年8月、東京都墨田区生まれ。中大法学部卒業後、週刊文春編集部を経て独立。フリージャーナリストとして、野球を中心に著書多数。

師匠は師匠。師匠の言うことを聞けなければ辞めればいい

公開日: 更新日:

「師匠は弟子にとって亡くなるまで師匠なんだ。弟子が偉くなったからって調子に乗っちゃダメ。師匠が『要らない』って言ったら、この世界にはいられない……クビなんだよ。部屋に入ってから誰が世話して、誰が面倒見てくれた?  関取になってからだって、たとえば、誰のおかげで化粧まわしとか着物とか作ってもらえたの?  ほとんど師匠の顔で作ってもらえたんだよ。

 たとえ師匠の現役のときの番付より出世したって、そういうことを忘れちゃダメ。師匠は師匠。師匠の言うことが聞けなかったら辞めればいい。

 どこまでいっても弟子は師匠を超えられないものがあるんだよ。いっぱいね。何か、超えられないものがあるんだよ」

 何度も繰り返される白鵬の言動の中で気になって仕方がないのが、亡くなった大鵬を「日本の父」と呼ぶことだ。角界で生きる彼にとっての日本の父は、師匠の宮城野親方であるはず。次回は武蔵川親方に、そのあたりを聞いてみよう。(つづく)

取材・構成=ノンフィクションライター・渡辺勘郎

▽むさしまる・こうよう 1971年5月2日、米国領サモアで生まれ、ハワイで育つ。高校卒業後に武蔵川部屋に入門し、89年秋場所で初土俵。91年名古屋場所新十両、同年九州場所新入幕。99年名古屋場所で第67代の横綱に昇進した。55場所連続勝ち越し記録は歴代1位。03年九州場所後に引退。優勝12回。通算779勝294敗115休。96年1月に日本国籍取得。現在は武蔵川親方として後進の指導に当たっている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が