リオ五輪で復活のゴルフ “異例”の全米OPで加速する「再除外」
その吉川氏は「リオ五輪を来年に控え、自然の中でボールを打つ楽しさを知ってもらうという意味では、今年の全米オープンは逆効果になってしまった」と見ている。
■アダム・スコットが吐露したプロの“本音”
リオ五輪のゴルフは各国から男女各60人が参加し、4日間72ホールのストロークプレーで行われるという。団体戦はなく、通常のトーナメントと同じ個人競技だけだ。13年マスターズ覇者のアダム・スコットはロイター通信に対し、「僕はメジャー大会で最高のプレーができるように日程を組む……僕がもし出られなくても残念だとは思わない。テレビ観戦を楽しむよ。ゴルフが五輪に必要だとは思わない」とコメント。それがトッププロの本音であり、他競技の選手みたいなメダル取りの執念など、みじんもないのだ。
スポーツライターの工藤健策氏もこう言う。
「打っては歩き、グリーン上では、あらゆる方向からパッティングラインを読んで、ゆっくり構えに入って打つ。ゴルフは考える時間が多い競技です。コース形態や天候次第ではプレー時間はどんどん遅くなる。何もIOCにおもねることはないが、IOCが目指す、スピーディーかつエキサイティングな競技ではないことは確かです。リオや東京五輪のゴルフの視聴率が悪ければ、再び五輪から除外される可能性は高いでしょう」
IOCは「短時間で勝敗クッキリ」の競技が好み。カネ集めのためにゴルフを採用したものの、来年のリオで「ゴルフは五輪に向かない」ことを再認識するに違いない。