「いつもアウェー。ひとりでも応援してくれる人がいればそれでよかった」
しつこく聞いても苦労話をしない武蔵川親方。明日は、大関になる前に日本国籍を取得した彼の、日本で、日本人として生きていく覚悟を聞く。(つづく)
取材・構成=ノンフィクションライター・渡辺勘郎
▽武蔵丸光洋(むさしまる・こうよう) 1971年5月2日、米国領サモアで生まれ、ハワイで育つ。高校卒業後に武蔵川部屋に入門し、89年秋場所で初土俵。91年名古屋場所新十両、同年九州場所新入幕。99年名古屋場所で第67代の横綱に昇進した。55場所連続勝ち越し記録は歴代1位。03年九州場所後に引退。優勝12回。通算779勝294敗115休。96年1月に日本国籍取得。現在は武蔵川親方として後進の指導に当たっている。