「今の子どもはわがままだね。人間性、それが一番大事なんだけど」
武蔵川親方は先代(元横綱三重ノ海)の定年に伴って名跡を継承して独立。外国出身力士としては元高見山の東関親方以来2人目という部屋持ち親方として弟子を育てている。
「関取とか親方衆になるのは全体からみたら数%だから、そうなれない人の方が多いんだよ。だから、自分の将来のために今から勉強しなきゃいけない。
まず、年6回、本場所があって、そのうち3回は地方場所。そのほかにも巡業があるから、お相撲さんは、出会いが多いんだ。そういう出会いを『大事にしなさい』と言ってるよ。相撲界の人だけじゃない。一般の人だって将来、どこで会うか分からないし、どこでお世話になるかもしれない。仕事をさせてもらうかもしれないんだから、ちゃんと大事にしなきゃいけない。
相撲だけじゃないんだよ。人間性。それが一番、大事」
引退後も相撲界で生きていけるのは一握りの人たちだけ。だから、相撲部屋は、一般の社会人として生きていくための人間教育の場でもある、と武蔵川親方は言うのだ。もっとも、自分の弟子時代とは違う最近の子供たち相手に苦労しているらしい。