NHKも全英テニス放送…“直接対決”するWOWOWの本音は?
錦織圭(25)の活躍で盛り上がりを見せる男子テニス。その裏で火花を散らしているのがテレビ局だ。
これまで地上波でテニスを中継をする局はNHKぐらいだった。それが錦織の活躍により、4大大会の地上波放送は当たり前となり、今年も1月の全豪オープンはNHK、5月末からの全仏オープンもテレビ東京が地上波放送に動いた。今月29日から行われる全英オープン(ウィンブルドン)も、NHKが錦織の試合を中心に地上波とインターネットを使っての放送を予定している。
テニス好きの視聴者にはうれしい限りだが、海外のテニス中継を長年続けてきた衛星放送局やCS局は、ドル箱コンテンツを失いかねない。昨年8月開幕の全米オープンで錦織が決勝に進出したが、歴史的瞬間見たさに新規加入者が殺到、今回のウィンブルドンでもNHKと“直接対決”する「WOWOW」にとって、地上波のテニス中継は脅威だろう。
WOWOWはこの動きをどう見ているのか。広報部に聞いてみた。
「地上波でテニス中継が放送されれば、我々衛星放送の視聴者が激減すると思われがちですが、実はそうでもないのです。例えば地上波でテニスを見られる方は、今までテニス中継を見てこなかったが、錦織選手の活躍に興味を持って視聴するケースが多い。しかし、WOWOWの視聴者はもともとテニスに興味をお持ちで、錦織だけでなく他の海外選手の試合もライブで見たい方が多い。その方々のために、我々は3つのチャンネルを使って生中継を中心に放送します。ですから、地上波で放送されても正直、大きな影響はない。むしろ、地上波で放送されれば市場全体の活性化にもつながる。我々としては積極的に放送していただいた方がいいのです」