「パの打点記録」射程圏も…西武・中村の課題は三振減にあり
コラム【プロ野球 記録の真実】
西武は5日の楽天戦で4番中村が先制タイムリーを含む5打数4安打。6対1で勝利し14連敗を免れた。
中村は身長175センチとプロでは小さい部類。しかし風格がある。私にはパの日本人打者で一番大きく見える。それは、本塁打王、打点王計7回の実績があるというだけではない。集中力を打席で維持する独特の呼吸法をマスターし、ここぞの場面で勝負強い。打席では素振りをするより、投手の動きを凝視する。相手にじらされても自分の間合いでバットを振り抜く。
両リーグ最速の30本塁打(記録は6日時点)も、今季予測(試合数換算)は43本塁打と物足りない。だが、打点98は他を引き離している。2位中田翔(日本ハム)は69打点。20打点近い大差だ。今季予測は140打点と素晴らしい。
中村は2S(ストライク)での打数が全体の58%と異常に高い。「何でも振ります」打法が原因だ。空振りが多いため、2Sに追い込まれる割合が高くなっている。
打率は1Sまでが.414なのに2Sで.194。2割も打っていない理由は三振が多いためだ。現在127三振。今のペースなら180三振が予測され、日本人のプロ野球史上ワーストを記録する。180以上といえば、本塁打王3回のブライアント(近鉄。最多は93年の204三振)に次ぐ史上2人目となる。この粗さは課題だろう。