好投にはほど遠く…12勝目の阪神・藤浪“投手5冠”の現実味
ベンチも苛立ちを隠せない「自作自演」だった。
3日の広島戦に先発した阪神の藤浪は7回2安打、12奪三振。打線の援護もあり、ハーラー単独トップとなる12勝目を手にした。さらにシーズン9度目の2ケタ奪三振は11年のダルビッシュ(現レンジャーズ)以来。阪神に限れば、71年の江夏以来44年ぶりの快挙だ。
とはいえ、この日の投球はとても「好投」と言えるようなものではなかった。なにしろ7回を投げ、出した四球は9個。四回は打者6人を相手に四球と三振のみという独り相撲だ。
もっか藤浪は12勝、184奪三振で投手2冠。その一方、67四球、11死球、9暴投の「ワースト3冠」でもある。MAX158キロのボールは、投げてみるまでどこに行くかわからない。バッターも狙い球が絞れずに空振りするのも無理はない。
藤浪は降板後、「無駄な四球が多すぎた」と反省の弁を述べたものの、13年の入団当時から制球力は問題視されていた。それが3年経っても改善するどころか、ひどくなっている。