10K快投のヤンキース田中 ポストシーズン“戦力外”の可能性
■地区首位メッツも12勝投手の休養を検討
ところが、そんなチームの台所事情が、田中にはマイナスになる可能性があるという。
中4日での登板間隔に加え、投球回数が増えれば、不安を抱える右肘へのダメージが懸念される。チームがポストシーズンを勝ち上がり、ワールドシリーズまで駒を進めれば、エース右腕の登板はさらに増える。09年以来、6年ぶりの世界一を目指すヤンキースにとって田中は欠かせない存在とはいえ、来季を見据えるとリスクは少なくない。ヤンキースは田中の右肘痛の再発を防ぐため、ポストシーズンでは登板させない可能性が十分にあるのだ。
メジャーでは若手や肘、肩に故障を抱えた投手をポストシーズンで起用しないのは珍しくない。実際、12年に球団創設初の地区優勝を果たしたナショナルズは、この年に15勝(6敗)を挙げたストラスバーグの登板を回避。10年に受けたトミー・ジョン手術(腱の修復手術)の影響を考慮して、9月7日のマーリンズ戦を最後の登板にした。
現在、ナ・リーグ東地区首位のメッツでも同様の問題が浮上している。ここまで12勝(7敗)をマークしているハービーは昨年、右肘にメスを入れ、執刀医からは年間180イニングに制限されている。すでに166回3分の1に達しているため、アルダーソンGMはハービーの休養を検討しているという。
田中もベンチからポストシーズンの行方を見守ることになるかもしれない。