「緩急より強弱で」 権藤博氏がマー君の“一発病”克服に処方箋
コラム【権藤博の流儀】
ヤンキースの田中将大(26)が「一発病」に苦しんでいる。
5敗目(8勝)を喫した日本時間10日のブルージェイズ戦でも、2発を浴びた。今季は16試合で18被弾。確かに多い。昨年は20試合で被本塁打は「15」だった。
ブルージェイズ戦で打たれた2発がそうだったように、速球系の球をスタンドに運ばれるケースが多い。本人は「こっち(米国)ではボクのような真っすぐは並。といって、(速球を)まったく投げるなっていうのも無理な話」と苦しい胸の内をのぞかせているが、そこまで卑屈になることはあるまい。
150キロを超える田中のストレートは米国でも決して見劣りするものではない。ただ、きれい過ぎる。素直なフォームから素直な真っすぐを投げるから、どうしても打者とのタイミングが合ってしまいやすい。これは楽天時代からそうだった。いい球なのに打者にファウルされ、当時の監督だったノムさんは「田中は変化球投手。直球で空振りが取れない。本格派とは言えんやろ」と私にボヤいたものだった。