ハム大谷は15勝で濃厚も…揺らぐ「沢村賞」の価値と受賞基準
シーズンが佳境を迎える中、日本ハム・大谷翔平(21)の周辺で「ある問題」が浮上している。一年で最高の先発投手に贈られる「沢村賞」を受賞できるかどうかの判断が難しいからだ。
昨10日のソフトバンク戦に先発した大谷は序盤から制球に苦しみ、松田に先制3ランを浴びるなど、自己ワーストタイの7失点で七回途中KO。8月26日以来の白星はならなかった。
とはいえ、大谷はすでに13勝。チームの残り試合数(18)を考えれば、あと3度は登板するはずで、うち2勝なら15勝だ。その場合、大谷に沢村賞を受ける資格はあるのか。
沢村賞の選考基準はシーズンで25試合、投球回数200イニング以上に加え、防御率2・50以下、勝利数15勝以上、勝率6割以上、完投10以上、150奪三振以上の7項目。本来はこの基準を満たした投手が選ばれる。現在の大谷の数字(20試合13勝5敗、防御率2.44、143.2回、4完投、173奪三振、勝率.722)では15勝しても4項目しか基準をクリアできない。
ところが、先発、中継ぎ、抑えという投手の分業制が確立した近年は、その条件が甘くなっている。7項目の基準に達しないケースや優勝に貢献した投手が、同年の最高数字を残した投手以上に評価される「逆転現象」も起きている。