2015年ハリル日本を検証 「第1ステップ」は緩やかながら進歩
6月のW杯2次予選の初戦シンガポール戦では、相手が守りを固めたためにカウンターを仕掛けられず、それでも6回の決定機をつくったが、相手GKの好守もあってスコアレスドローに終わった。8月の東アジア杯では、初戦の北朝鮮戦に黒星を喫すると韓国と中国に連続1―1ドロー。引いて守る相手にはハリル・マジックは通用しない。これが分かったのが第2段階だった。
アジアでの日本は、実力差のある国と対戦する場合、「引いて守る相手をどうやって崩していくか」がテーマになる。
そこで監督はサイドからのアーリークロスの重要性を説き、さらにFKやPKを獲得するためのプレーを要求。サッカーにおける“ズル賢さ”を選手に強く要求した。
確かに現代表は、圧倒的に攻め込んでもFK獲得回数が少なく、PKによる得点がないことについては、驚きを通り越して半ば呆れていた。
ようやく10月のW杯2次予選シリア戦でPKやFKの流れからゴールが生まれ、11月のシンガポール戦ではサイド攻撃やCKからもゴールが生まれた。この10~11月の連戦では、日本の攻撃に新たな変化も見られた。