2015年ハリル日本を検証 「第1ステップ」は緩やかながら進歩
【サッカージャーナリスト六川亨 特別寄稿】
3月に日本代表監督に就任したハリルホジッチは、17日のW杯アジア2次予選カンボジア戦で15年の全日程を終えた。W杯2次予選は5勝1分け(得点17・失点0)で首位をキープ。東アジア杯やテストマッチの成績は3勝3分け1敗。数字を見る限りは「好成績」と言ってもいい。果たしてハリル日本代表は“数字通り”の進歩を遂げているのか? 検証したい。
■引いて守る相手にマジックは通用せず
監督にとって就任1年目は、日本人選手の特性を把握し、W杯2次予選で結果を出すことが「第1ステップ」だった。
この「第1ステップ」をもう少し注意深く観察すると、さらに「3つの段階」に分けられる。
第1段階は、監督が昨夏W杯でアルジェリアを率いて結果を出した「タテパスを多用するサッカー」を浸透させることだった。このタテに速いカウンタースタイルは、3月末のウズベキスタン戦の後半に猛攻を仕掛け、5―1で大勝したことで一定の成果を出した。ハーフタイムの「後半はあえて自陣に引いてカウンターを狙っていけ」という指示が的中し、メディアはハリル・マジックと称賛した。