まるで後見人気取り G由伸監督を原氏“奔放発言”が悩ます
親分の愛称で親しまれた大沢啓二氏が生前、こんなことを言っていた。
44歳で日本ハムの監督に就任した76年、青年指揮官として乗り込んだ春の徳島・鳴門キャンプでのことだ。当時の日本ハムの球団社長は西鉄の黄金時代をつくったリーグ優勝6回、日本一4回のあの名将・三原脩氏だった。
「その三原さんがよ、ミスした選手を『なにをやってるか!』と怒鳴り上げ、手取り足取り教え始めるんだよ。オレは頭にきてな。相手は天下に聞こえた名将だが、関係ねえ。『監督はオレだ! オレが引き受けた以上はオレがチームをつくる。おい、おまえら、引き揚げろ!』と選手全員をベンチに帰らせた。三原さんはその2年前に日本ハムの球団社長になって、オレよりチームのことを知っていた。だからといって、現場のことに口を出されたら、やりにくくてしょうがねえからな」
これは極端な例だが、あるいは巨人の高橋由伸新監督(40)もすでに大沢親分と近い心境なのではないか。今季まで巨人の指揮を執り、リーグ優勝7回、日本一3回の原辰徳前監督の存在が早くも懸念されているからだ。