地元ファンの本音は「ち~ったぁ年寄ったバッテン、なんでんなかッ!」
佐渡ケ嶽部屋らしい。万年クンロク大関だったのに突然大化けした横綱琴桜を思い出す。
九州の地元、柳川じゃ大騒ぎ。「苦しカときもですね、みんなでですね、いつか優勝してくれてですね、故郷にですね、錦ば飾ってくるるとですね、思うてですね。一所懸命ですね、応援しとったトです」。九州弁で丁寧にものを言うときの特徴は、言葉の1節ごとに「ですね」が入る。
九州出身の私としてもですね、長いこと待たされチですね、日本出身の力士がですね、優勝でけたことはですね、こげなうれしかこつはなかトです。
優勝インタビューは「おかげさま」という言葉が多かった。ファンのおかげという声は白鵬から何度も聞いているが、如才なく言っておこう、自分が強いから勝ったんだという強烈な自負が垣間見えたもんだ。
琴奨菊からは初めて「毎日のトレーニングとルーティンに付き合ってくれた若い衆のおかげさま」という言葉を聞いた。伝統角力にも「トレーニングとルーティン」という横文字が染み付いていたとは。九州の地元で地道なファンに支えられた苦労人は「おかげさま」と「ルーティン」の世界。へ~、しっかり和洋折衷しとるんだねえ。