キャンプは金本カラー前面に…阪神「超改革」ここまで順調
あるOBは、「金本監督は星野さんとはタイプが違う」と言ってこう続ける。
「今のチームは毎年優勝争いできるだけの力がある。そこが星野さんの1年目とは大きく違うところ。47歳と若い金本監督は、指導経験がなくても、星野流では今の選手は能力を100%発揮できないということを知っている。例えば、星野さんはあらゆることを担当コーチに任せていた。金本監督は打撃コーチが目の前にいても、若手や中堅に身ぶり手ぶりで打撃の指導をする。技術指導以上に対話することに意味があると思っているのです」
阪神は星野監督からバトンを受けた岡田時代の05年に優勝したものの、真弓、和田時代に頂点には立てなかった。
「優勝争いに絡んでも、毎年ズルズル落ちていく。金本監督はそれを選手として経験し、ネット裏からも見てきた。ここぞというときに力を出し切れないのは心の問題が大きいとみたはずです。近年の阪神は、どちらかといえば地味なチームで選手もおとなしかった。金本監督は楽しさや明るさを取り入れて、チームに一体感をもたせ、勝負どころで力を出せる積極性につなげたいのだろう。さらに、萎縮させずに若手の能力を伸ばすことも、超変革の狙いだと思う」(前出のOB)
一方で、指導者経験のない監督だけに、「求めた結果が出ないときの言動が心配」との声もある。未熟な監督も選手とともに成長しなければならない。