主砲の李大浩退団も ソフトバンク打線は余裕しゃくしゃく
痛くもかゆくもない、というのは言い過ぎか。
李大浩(33)のマリナーズ移籍により、主砲を失ったソフトバンク。昨季は31本塁打、98打点、打率.282と好成績を残しただけに、首脳陣はさぞ頭が痛いだろう。
しかし、そこは12球団随一の巨大戦力を誇るソフトバンクだ。ある球団スタッフは「戦力を考えれば、残留してくれるのが一番でしたが」と、こう話す。
「ウチはスタメンがほぼ固定されている。誰かがケガをしたり、ベテランを休ませる目的でもなければ、おいそれと若手を起用できない。だから、主力が1人いなくなった分、育成のチャンスは増える。デホのポジションは主に一塁とDH。昨季、主に右翼を守っていた中村を一塁に回せば、空いた右翼で伸び盛りの福田や上林を鍛えられる。左翼の内川に一塁を守らせ、打撃に専念してもらうこともできます」
外国人枠の問題もある。昨季9勝無敗のバンデンハーク、リーグ最多41セーブのサファテ、中継ぎのバリオスの3投手は外せない。これに李大浩を加えれば、4人の外国人枠は埋まってしまう。そのため、昨季は長距離砲のカニザレスをたまにしか一軍に昇格させることができなかった。
李大浩のマリナーズ入りが発表されたのは3日。オフから長々と行っていた主砲とメジャーとの交渉を、ソフトバンクは焦ることなく静観していた。「いなければいないで何とかなる」と、余裕があったからだろう。
李大浩の移籍がアリの一穴、とはなりそうもない。