「超変革」阪神の象徴に 鳥谷を変えた“4番金本”のトラウマ
口数少なく、おとなしい野手キャプテンが変わった。
阪神の鳥谷(34)は12日、全体練習の後に志願して特守に参加。サブグラウンドでノックを受ける新井、上本らがエラーすると大声でヤジり、自分も打球に飛びつきユニホームは真っ黒。その姿は、これまでの鳥谷とはまったくの別人だった。
昨秋は就任したばかりの金本監督に、「お前が変わらないとチームが変わらない。すべて、数字も、実績と年齢と年数を見たときに、もの足りなさすぎる」と、苦言を呈された。
実は金本監督が現役時代の07年7月の中日戦でも、鳥谷は耳が痛いことを言われている。4番金本が満塁の好機に、右前に放った安打で鳥谷が二塁から生還せずに三塁で止まった。隙のない野球をやる中日相手に、消極的というか、闘争心に欠ける走塁について、当時の金本は怒った。
鳥谷は04年にプロ入りしてから岡田、真弓、和田という3人の監督のもとでプレーしてきたが、いつも大人扱いされて何も言われずにやってきた。
金本新監督は「悪いものは悪い」と、誰に対しても遠慮することなくズケズケ言うし、妥協は許さない。年俸4億円のチームリーダーでも、気が緩んだプレーをすればベンチに下げられかねない。鳥谷はプロ13年目にして、変わらざるを得なくなったというわけだ。