他競技に波及するか 柔道がリオ代表選考会を「公開」に
全日本柔道連盟(全柔連)の山下泰裕強化委員長は16日、リオ五輪男女14階級の代表選考を行う強化委員会を報道陣に公開すると発表した。昨年の世界選手権の代表選考も公開したが、注目度では比較にならない五輪の代表選考の透明性を高めることが目的だという。
山下委員長は、「いかに真剣に、公正に選んでいるか。柔道界がいい方向に変わろうとしていることを世間に伝えたい」と言ったが、過去には物議をかもした代表選考があった。
例えば、08年の北京五輪前年の全日本体重別選手権の48キロ級決勝で福見友子が、出産のため2年ぶりの復帰となった谷亮子に勝って優勝。しかし全柔連は、谷の実績を重視して07年世界選手権代表には選ばず、福見の北京五輪出場の夢は消えた。
今回は、男女12階級を決める全日本選抜体重別(4月2、3日)、最重量級を選ぶ17日の全日本女子選手権と29日の全日本選手権後の強化委員会で代表選考を行うことになる。
くしくも今日17日は、陸連の理事会でマラソンの男女各3人の代表が決まる。マラソンは複数の選考レースがあり、「選ぶ人間の主観が入るので納得できない」と言われてきた。実際、代表漏れして泣いた選手は一人や二人ではない。「マラソンこそ、代表選びの理事会を公開しろ」という声が出てくるのは時間の問題ではないか。