DeNA白根尚貴が一軍初昇格 “ジャイアン”の逆襲が始まる
ソフトバンクは12球団随一の選手層を誇るだけに、再び支配下枠に戻るのは至難の業。そういう理由なのかと問いかけると、白根は「そんな軽い気持ちじゃありませんよ」と、口を尖らせる。
「選手層が厚いから無理だとか、そんな理由じゃありません。自分から厳しい環境に身を置かないとダメになる。このまま、再契約に甘んじていたら、一生一軍で活躍することはできない。勝負の世界に身を置いてこそ、プロじゃないですか」
白根の決意を聞いた球団側は困惑。「トライアウト? それならもっと早く言ってよ。ウインターリーグ派遣も決まってたんだから」と、散々愚痴られたという。それでも白根は「もう決心したことですから」と、頑として譲らなかった。
「最後は快く送り出してもらった? いえ、向こうも渋々って感じでしたね」
と、白根は苦笑いする。
11月のトライアウトでは7打数3安打と結果を出し、DeNAに支配下選手として迎えられた。
「これは驕りじゃないんですけど、やっぱり層が厚いソフトバンクで競争してきたことは自信になっています。『あの中で必死にもがいてきたオレが負けるわけがない!』ということです。バットには自信がありますので、ガンガン打ちたいですね。特にパワーなら誰にも負けませんよ」
あえて育成の立場を捨てることによって、チャンスを手にした白根。死中に活あり。ジャイアンの逆襲はここからだ。