“弟分”決勝打に降雨コールド 金本阪神は踏んだり蹴ったり
「思ったとおりになかなか進めない」
阪神の金本監督が厳しい表情でこう言ったのは、5位に転落したことだけが理由ではないだろう。
24日の広島戦。2-2で迎えた八回に現役時代から“弟分”として可愛がっている新井に2点適時三塁打を浴び、これが決勝点になった。
「超変革」をスローガンに掲げ、勝ちながら選手を育てようとしている指揮官からすると、2位巨人に7ゲーム差をつけて首位を快走する今の古巣は、理想的なチームといえるだろう。
交流戦で2試合連続サヨナラ本塁打を放つなど、現在売り出し中の鈴木(21)をはじめ、菊池(26)、丸(27)の「キクマルコンビ」が中心となり、遊撃の田中(26)も成長した。若手、中堅の生え抜き選手がチームを牽引している。
金本監督は91年ドラフト4位で広島に入団し、徹底的に鍛えられた。自らの努力もあり、名選手になった。広島にはあった育成の伝統が阪神にはない。阪神でそれを根付かせるために、金本監督は就任後、練習や試合での取り組み方、姿勢を変えようと、必死に取り組んできた。